小説の書き方

小説 文学 書籍

Month: January, 2012

#008 総合格闘技

小説は総合格闘技に似ていると思います。
総合格闘技はブラジルで始まり、ブラジルでは「バーリ・トゥード」(=何でもあり)と呼ばれていました。
ルールがなく、どんな方法でも相手を倒せばいい、という意味です。

「何でもあり」とはいえ、単に力が強いだけとか、パンチが強いだけでは勝つことはできません。
総合格闘技に勝つためには、「闘争心」と共に、明確な「技術」が必要なのです。

小説においても、「書きたいという熱い気持ち」と「冷静な技術」の両方が必要です。
その二つの要素が、小説を書くための両輪になります。

#007 登場人物

登場人物は何人がいいのでしょうか。
これは難しい質問です。
僕の意見は、「物語の構成に必要な最少人数」です。

登場人物が少なすぎると、物語の展開の幅が狭くなります。
かといって多すぎると、読者が登場人物を把握できないですし
関係性も複雑になりすぎます。

全ての登場人物に、最低限のキャラクター設定を行い、物語に参加させることが重要です。

#006 プロット作り

では簡単なプロットを作ってみましょう。

男子高校生の太郎君と、女子高生の花子さんが入学式で出会い
お互いに好意を持ちます。
花子さんは思いきって太郎君に告白
2人は見事つきあうようになりました。
その後3年間2人は愛を育み、高校を卒業しました。

さてどうでしょうか?
これだと何の面白みもないですし、そもそも小説の展開とは言えません。
展開と言えるのは「告白」のところくらいです。

では少し修正しましょう。

男子高校生の太郎君と、女子高生の花子さんが入学式で出会い
お互いに好意を持ちます。
花子さんは思いきって太郎君に告白
2人は見事つきあうようになりました。
その後3年間2人は愛を育み、高校を卒業しました。
高校を卒業した2人は、花子さんは地元で就職、太郎君は東京の大学に進学します。
住む世界や場所が変わった2人は、徐々にギクシャクし始め、次第に疎遠になっていきます。
2人はそれぞれ、新しい恋人ができてしまい、別れてしまいます。
そして、卒業から5年後に高校の同窓会が開かれ、2人は数年ぶりに再会します。
もう昔の2人ではないですが、お互いに複雑な感情を抱きつつ、同窓会の夜が更けていきます……

これだとまあまあ面白く感じれたと思います。
少しタイムスパンが長いのが気になりますが、
起承転結のはっきりしたプロットと言えるでしょう。
つまりプロットのポイントは、「時系列としての出来事」です。

 

#005 登場人物の名前

登場人物の名前は重要ですが、意外に名付けるのは難しいです。
でも、登場人物の名前をつけないと小説が始まりませんので、小説を書く最初の作業になります。

なぜ難しいかというと、人間は名前からその人のイメージを連想するからです。
だから、あまりイメージからかけ離れた名前はよくありません。

名前のイメージを二項分類で分けると以下になります。

美男美女風 : 器量が平凡
珍しい : 平凡
古風 : 現代風
良家 : 普通の家庭

などなど

他にも分け方があるかもしれませんが、こういうイメージを意識してネーミングするのがいいでしょう。

#004 プロット

小説にとって一番大切なのは、以前にも述べたとおり「プロット」です。
どのような作家でも、完全にオリジナルのプロットを作り出すことは不可能だと言われています。
つまり、自分ではオリジナルと思っていても
過去の作品にどこか類似している部分はあります。

プロットは大きく分けていくつかに分類されるでしょう。
国語の授業で教わるのは、「起承転結」モデル。
ただしこれは論文などでよく使われるモデルです。

小説のプロットで一番シンプルなものは、「プロレスモデル」でしょうか。
つまり「正義の主人公」と「邪悪な敵」がいて、戦う。
最初主人公は強かったが、敵が反撃し、絶体絶命のピンチに。
だが(ヒロインの助けなどで)奇跡的に反撃し、最後に勝利を収める。

この「プロレスモデル」は、冒険小説やアニメなどでは絶対的なプロットです。
陳腐なので純文学にはあまり向いていませんが...

#003 微分と積分

小説を書く場合に「微分」と「積分」という考え方が有効かもしれません。
つまり、ごくごく短い時間の出来事を微分的描写、長期間の出来事を積分的描写と捉えられます。

例えば朝の電車の中の出来事は「微分的」ですし
3年間の高校生活の説明は「積分的」です。

小説は、情景や心理描写がその中心ですので
「微分的場面」が中心となります。
「積分的場面」はあくまで補足と考えていいでしょう。

「積分」だけで小説を組み立てた場合、それは単なる「あらすじ」になってしまいます。