小説の書き方

小説 文学 書籍

Month: March, 2012

#020 インプットとアウトプット

小説に限らず創作活動には、インプットとアウトプットという概念があります。

インプット=知識や経験を、外部から自分の内部に取り入れること。
アウトプット=自分が持っている知識や経験を、創作し具象化すること

インプットは、読書、音楽や映画鑑賞、旅行や取材、様々な人生の経験のことです。
アウトプットは、創作活動、もっと広く取ると仕事や事業、ブログなど様々な発信もそうでしょう。
ただし「作品」として完結させることはアウトプットの中でも最も上位に位置する行為です。

現代人は、インプットが過多です。情報が多すぎるからです。
とはいえ、インプットなしにはアウトプットは出来ません。
質の高いインプットからの、積極的なアウトプットが大切だと思います。

#019 出版社と取次

小説は出版社によって書籍となり書店に流通します。
実はこの出版業界という業界は、非常に特殊な業界なのです。

日本の書籍の流通は「取次を介した再販価格制度」というシステムです。
多くの特徴がありますが「定価販売」と「返品が可能」の2つが大きな特徴です。
取次会社は、書籍の流通を一手に引き受ける流通の要であり、日販とトーハンという2大取次会社で、国内シェアの70%以上を掌握しています。

この取次業者が、書籍の印刷部数から書店までの配本を決定する実質的な権限を持っています。
この大手取次に口座がないと、出版社は書籍を流通することはできません。
そして、新規で口座を取得することは非常に困難です。
事実上、日本には商業出版の新規参入の自由はほとんど存在しない、と言っていいでしょう。

#018 書写

多くの人が推奨する、小説の技法向上メソッドがあります。
それは、自分が理想とする作家の作品を、一作丸ごと「書写」すること。

全ての芸事は、まずは「そのまま真似る」ことから始まると言われています。
確かに万人に読み継がれてきた作品には、それに耐えるだけの至高の文章だけで構成されており
それをそのまま書き写すことは、目に見えない大きな力をつけてくれるのだと思います。

時間がある方は、この「書写」に是非チャレンジしてみて下さい。

#017 序破急

起承転結の四段構成とは別に、日本の古典芸能で使用されるのは
「序破急(じょはきゅう)」と呼ばれる三段構成です。

エヴァンゲリオン劇場版のタイトルがそれぞれ「序」「破」「Q」になっていますね。

序破急とは元々は、雅楽の展開を表す言葉でした。
序:無拍子かつ低速度な自由演奏
破:リズムセクションである拍子が入ります。
急:演奏が加速し結末を迎えます。

冒頭から結末まで変調しつつ展開していくイメージでしょうか。
日本の古典芸能全てに通底する理論ですので
一言では語れない大変奥深いエッセンスを持っているのだと思います。

 

#016 小説の文字数

小説における原稿用紙の枚数と文字数は、誰しも気になるポイントです。
本一冊はどれくらいの

文庫本の1ページあたりの文字数は、会社によって違うのですが、
大体700から750文字くらいが多いようです。
仮に750文字とすると

100ページ = 75,000字 = 187枚(400字原稿用紙換算)
200ページ = 150,000字 = 375枚
300ページ = 225,000字 = 750枚

となります。
文庫本200ページ以上というのは、かなりの大作になると思います。

なお単行本一冊は、大体12万字が目安と言われています。
原稿用紙だと300枚くらいになります。

300枚を目標に書いてみるのは、いい練習になるかもしれません。

#015 作家と学歴

作家になる資質と、学歴社会の偏差値は関係あるのでしょうか?
昔の文豪と言われた人は帝国大学、東京大学の出身が多かったですが、
現代の売れっ子作家を見ていると、作家の資質と学歴はほとんど関係ないことがわかります。

京極夏彦さん=専門学校(桑沢デザインという名門ですが)
宮部みゆきさん=高卒
浅田次郎さん=高卒
石田衣良さん=成蹊大学
桐野夏生さん=成蹊大学
東野圭吾さん=大阪府立大学
山崎ナオコーラさん=國學院大學
村山由佳さん=立教大学
津村記久子さん=大谷大学

日本の国語教育では、「創作として文章を書かせる」の部分がほとんどないことも
小説を書く能力は、偏差値的な学歴とは相関性がないことの証左になるかもしれません。

個人的には、博覧強記の京極夏彦先生が
大学に行っていないというのは、ちょっと衝撃ではあります。

#014 締め切り

小説に限った話ではありませんが
何であれ創作物を完成させるための最重要要素は

「締め切り」

です。
ごくたまにサグラダ・ファミリアのように締め切りのない偉大な芸術も存在しますが
ご存じの通り締め切りがないということは
「完成」自体が存在しないということになります。

もしくは、真の芸術家は締め切りに関係なく
自らの創作本能のみによって芸術を完成させるということなのかもしれません。

いずれにせよ、凡人にとっては
「締め切り」の存在こそが創作を完成させます。

#013 説明と描写

小説の表現を3つに分けると

・会話
・描写
・説明

になります。
説明は確かに明解で便利ですが、長く続くと退屈ですし読むのがしんどくなります。
(ひたすら長い説明が続くのはイヤですよね)
説明する内容を、描写によって伝える、というのが小説の基本です。

太郎はとても美少年だった。・・・これが説明
太郎はまるでティーン向けのファッション雑誌から出てきたモデルのような雰囲気だった。・・・これが描写